夏休みが終わると、一気に受験に向けて加速度が増し、各大手塾では9月から過去問対策や学校別対策講座が始まります。
ここでひるんではいけません!しっかりついていきましょう。
学校別の対策講座は受講する方が良いのか、もし希望する学校(志望校)の対策講座がない場合はどうしたらいいか、過去問はどのように進めていけばいいのか、私自身の経験と、子供がこれまでに通った中学受験塾の先生の話などの体験を踏まえてご紹介します。
学校別対策講座を受講するか悩んでいる方や、過去問の進め方がわからない方はぜひ最後までご覧ください。
対策講座については、塾ごとに開校予定の学校名もまとめています。
学校別対策講座とは?
多くの塾において6年秋から(9月頃から)、学校別対策講座が開講します。
学校別対策講座とは、それぞれの学校に特化した内容になっており、多くは過去問対策になります。過去問を解いて解説を聞いたり、過去数十年分の入試データを元に各塾が独自で教材を作っていたりして、志望校に合格するための内容が詰め込まれた講座になっています。
ここでは、SAPIX、早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研、市進の5つの塾の学校別対策講座について紹介します。
SAPIX
※難関校SS特訓(9月から1月までの日曜日、80分授業×4コマ)
●男子校: 開成・麻布・武蔵・駒場東邦・栄光学園・慶應普通部・早稲田・早大学院・聖光学院・海城・灘・甲陽学院など
●女子校: 桜蔭・女子学院・雙葉・フェリス・豊島岡・神戸女学院など
●共学校: 慶應中等部・慶應湘南藤沢・早稲田実業・渋谷幕張など
早稲田アカデミー
※NN志望校別コース(9月から12月までの日曜日、月3回、150分×3コマ)
●男子校: 開成・麻布・武蔵・駒場東邦・早稲田・早大学院・慶應普通部
●女子校: 桜蔭・女子学院・雙葉
●共学校: 渋谷幕張・早実
★オンラインでも受講可
四谷大塚
※学校別対策コース(9月から1月までの日曜日、10:00〜18:00)
●男子校: 開成・麻布・駒場東邦・武蔵・栄光学園・聖光学院・海城・早稲田・浅野
●女子校: 桜蔭・女子学院・雙葉・豊島岡女子・フェリス女学院・浦和明の星女子
●共学校: 慶應・早稲田実業・渋谷教育学園渋谷・渋谷教育学園幕張
★国公立中高一貫校コースも開講
日能研
※日能研入試問題研究特別講座(日特と呼ばれている、日曜日に開講)
●難関校日特(2023年度): 開成・麻布・武蔵・駒場東邦・慶應義塾普通部・早稲田・桜蔭・女子学院・雙葉・フェリス女学院
★他に上位校日特や合格力完成教室などの講座がある
市進学院
※志望校合格突破講座(学校によるが、9月~12月まで)
●公立: 市立稲毛国際中・県立千葉中・県立相模原中・県立東葛飾など
●私立: 昭和学院秀英・市川・東邦大東邦・渋谷幕張・江戸川取手・芝浦工大柏・仙台松戸・成田高付・茗溪、麗澤など
※最難関中合格突破講座(9月~12月まで、月1回 9:00~17:00)
●男子校:開成・麻布
●女子校:桜蔭・女子学院
★市進学院は幅広い学校に対応した講座があります。一般の生徒も受講可能ですよ。
名称こそ違えど「学校別対策講座」が多くの塾で開講し、9月から始まることが多いので、チェックしておきましょう。
自分が通っている塾の対策講座を受講しつつ、他塾の講座もとって、2重に通っている強者もなかにはいるようです!
市進学院では地域の公立中高一貫校の対策講座も開講しています。
塾に通っていなくても受講可能なので、気になる方はお近くの教室にお問合せしてみてくださいね。
★私立中高一貫校と公立中高一貫校のどちらが良いか、比較しています。↓↓↓
学校別対策講座は受講すべき?受講しない方が良い?
次に、学校別対策講座は受講すべきか、しない方が良いのかについて考えていきます。受講するメリットとデメリットは以下の通りです。
- メリット
- 同じ学校を目指す仲間と切磋琢磨できる
- 志望校の出題傾向や時間配分がわかる
- 塾で作成された予想問題と似た問題が出題される可能性がある
- デメリット
- 通常の授業以外に受講費用がかかり、高額なことが多い
- いつもと違う校舎に通わなくてはならない場合がある
- 志望校を変えにくくなる、併願パターンが決まってしまう
1番大きなメリットは、同じ学校を目指す仲間と同じ空間で授業を受けられることです。同じ教室にいる友達は仲間でありライバルです。そのような環境に身を置くことで、自然と勉強へのモチベーションを維持しやすくなります。
過去問を自分で解いているだけでは気づかない落とし穴的な問題にも対応しやすくなるでしょう。
デメリットとしては、費用の問題があります。学校別対策講座は、通常の授業とは別に行われるため、別途料金が発生することが殆どです。
例えばSAPIXの難関校SS特訓の場合、9月から1月までの全18回の講座(授業14回・テスト4回)で総額278,300円がかかります。塾によっては学校別対策講座を受講するのにテストがあり、その費用も別途かかります。
志望校の対策講座が通っている校舎(塾)では開講されず、遠くの校舎(違う塾)まで通わなければならない場合もあります。他にも学校別対策講座を受講することで、途中で志望校を変えにくいなどのデメリットもあります。
志望校対策講座を「開成中学校」でとったとして、、でもそこまでは仕上がらなかったという場合、「海城中学校」を受けるなど、対策講座が無駄になることはありません。ただし、自分の実力にあった学校を選ぶことがポイントです。基礎に不安がありながら、「渋谷教育学園幕張中学校」など最難関校を受講するのは得策ではないです。(子ども3人の経験から…)
塾の先生に要相談してください!
- 志望校が決まっている
- 併願する学校も出題の傾向が似ている
- 自分が通っている塾で希望している学校の対策講座が開講される
以上の3つに当てはまるようであれば、学校別対策講座の受講をおすすめします。
まだ志望校に迷いがあったり、他に希望する学校の出題傾向が全く違うのであれば、無理して受講しなくても良いでしょう。
志望校の対策講座が開講されない時はどうする?
多くの塾において、学校別対策講座が開講するのは、難関校やそれに匹敵するような上位校です。そのため、自分が希望する学校の対策講座が開講されないということはよくあることです。
希望する学校の対策講座が開講されない場合の対策について解説します。
市進学院では上位校も中堅校も含む幅広い学校の対策講座が設けられています。設定金額もそこまで高額でもなく、おすすめです!
1. 別の学校の対策講座を受講する
例えば、開成中学校と海城中学校は出題傾向が似ていると言われています。選択問題が多く、スピードと正確さが求められる試験となっています。
早稲田アカデミーでは、海城中学校の対策講座は開講されません。そんな場合には、開成中学校の学校別対策講座を受講するのがひとつの手です。
ただし、実力が追い付いていないと感じる場合は、塾の先生に偏差値が上の学校を勧められたとしても、お子さんの力を見極めて、志望校に問題傾向が似ている他の学校で、同等レベルまたは対策講座の内容を十分理解できる少しだけレベルが低い学校を受講した方が良いと私は思います。
その方が学習が身になる、と私は経験上、感じました。。
2. 他塾に希望する学校の対策講座があればそちらの受講を検討する
さきほどの例ですと、早稲田アカデミーには海城中学校の学校別講座はありません。しかしSAPIXや四谷大塚であれば、海城中学校の学校別対策講座が開講されます。
転塾まではいかなくとも、学校別対策講座だけ違う塾へ通うことを検討してみましょう。ただし、その場合は別途入塾金などがかかることもあるので、慎重に考えてください。
3. 汎用性の高いコースを受講する
四谷大塚の過去問演習コース、日能研の合格力完成日特などの汎用性の高いコースを受講する方法もあります。ひとつの学校に特化していない分、様々な問題に触れることが可能です。実践に近い問題を多くこなすことで、イレギュラーに対応する力が養われます。
ただしひとつに特化していない分、どうしても勉強の効率が落ちる部分があることは留意しておきましょう。
4. 個別指導での対応を依頼する
サピックスの場合はプリバート、栄光ゼミナールならばビザビ、早稲アカなら個別進学館、市進学院なら個太郎塾など、それぞれの大手塾では別に個別指導も行っています。塾での成績や苦手箇所などを伝えてテキストも同じものを利用して連携して対応してくれる場合が多いです。
個別で希望する中学校の過去問をやる、というのも良いと思います。
また、通っている塾に個別指導の対応がない場合は、まったく別の個別指導塾に塾のテキストや過去問を持っていき、対応してもらいたい旨を伝えると対応していただける場合もあります。
私自身、長女はサピックスに通わせつつ、実は色々な個別指導塾でもみていただきました。
サピックス準拠のの個別指導『プリバート』はとても良かったのですが、価格が…高い。(10年近く前ですが、1時間5000円くらいでした)
また、当時『プリバート』に通うには遠くの校舎まで電車通いをしなければいけなかったので、近くの個別指導塾でサピックスのテキストを使用して対応していただいた経験があります。
そして、、最終的には近所の栄光ビザビでお世話になりました。
過去問の進め方
「過去問は何年分やればいいのだろう?」
「過去問っていつから始めたらいいのか知りたい」
過去問については様々な意見や考え方があります。問題傾向が変わった場合に解けなくなるから意味がないという意見もあります。
しかし、過去問演習はとても重要です。
第一志望校は5〜10年分、第二志望校以下は2〜5年分ほど取り組むのがおすすめです。ただし、やみくもに解けばいいものではありません。
- 時間をはかって解く、当日の緊張感をイメージして丁寧に解答する
- 間違った問題は復習して解き方をマスターする
- 時間配分や得点配分などを考える
- 空欄を作らない、何かしら埋める努力をする
途中で中断して他のことをしたり、50点しか取れなかったと凹むだけでは意味がありません。どんなところを間違ったのか、決められた時間内にどこまで解けるのかをきちんと把握することが大切です。
過去問の開始時期についてですが、小6の9月には始めるようにしましょう。過去問1年分というのは受験当日と同じ時間がかかるため、1日がかりの大仕事です。
受験生は他にも勉強すべきことがたくさんあります。志望校が決まって基礎固めが終わっているならば、9月を待たずに早めに取り組むことをおすすめします。
過去問は、第一志望の学校から、少し新しい年度から取り組むようにしましょう。優先順位の低いところから始めてしまうと、入試直前に時間が足りなくなってしまう可能性があるからです。
直近1〜2年の問題については、入試直前に2回目、3回目の解き直しができるようなスケジュールを組むことが大切です。
過去問の解き方は塾によって、まちまちです。
サピックスでは秋までは過去問を解かないように言われたと記憶していますし、新しい年度(昨年度の問題)は最後の方にとっておいて、直前に解くよう指導されたと思います。
早稲アカも夏休みが終わって9月から過去問スタートだったと思います。ただ市進学院は夏休み前に少しだけ過去問を塾の授業の中で行ったと思います。(GWの特別授業だったような、、そして過去問の取り扱いも在籍クラスによるかもしれません。)
まとめ
学校別対策講座と過去問についてまとめましたが、いかがでしょうか。
「第一志望の学校に絶対入りたい!」
「通っている塾(教室)で学校別対策講座が開講される」
この場合は学校別対策講座を受講するのが、確実かつ効率の良い勉強方法と言えます。
- わざわざ遠い塾(教室)に通う必要が出てくる
- 2〜3校の学校で悩んでいる(どこかに受かれば良い)
- 費用面の負担が大きい
このような場合は無理して学校別対策講座を受講せずに、通常の塾にプラスして自分で過去問演習をすることでも対応できるかもしれません。
その場合は、せめて塾の先生にお願いして過去問スケジュールをたてていただけるといいですね。
自分だけのオリジナル対策講座を作って、親子で頑張りましょう!(子供に任せきりは不安です。保護者が採点や丸付けをして、解きなおしを行う。解説をみてもわからない問題は塾に行って必ず質問する!)
わたし自身は行きたい学校が決まっており、通っている教室に対策講座があったため受講するのが当たり前といった感じでした。そして行きたい中学に見事合格しました。しかし、問題傾向の異なる学校は落ちました。
また学校別対策講座を受講するととても忙しくなります。他に手が回らなくなり、第二志望の過去問ですらほとんど見る時間がありませんでした。
もちろん第一志望の学校へ受かったので十分すぎる結果ですが、バランスをしっかり考える必要はあると思います。
学校別対策講座の受講を迷っている方や過去問の進め方がわからない方に、少しでも参考になったら幸いです。
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